日本最古の現役郵便局「下関南部町郵便局」
下関に現存する最も古い洋風建築物で、明治33年(1900)に赤間関郵便局(当時)が電信局を統合し、新築移転されたものです 築100年以上経つ局舎は煉瓦造モルタル仕上げの2階建。外壁のレンガは厚さ60cmという堅固なもので、本格的なルネサンス様式の庁舎建築です。
現存最古の郵便局舎として今なお現役で使われています。
明治33年建設のルネッサンス様式建築
明治4年、赤間関(現下関市)西之端町に設置された赤間関郵便取扱所が明治16年に赤間関郵便局と改称され、局舎を外浜町に移転しました。
明治21年には赤間関電信局を統合し、赤間関郵便電信局に改称され、明治33年に現在地に移転したのが現在の庁舎が建設されました。1階では郵便、2階では電信の業務に使用されていました。
設計は明治期後半の建築思想の論者でもあった三橋(みつはし)四郎。延床面積は828平方メートルです。
イギリス人から建築技術の指導を受けていた多くの日本人技師の中に、東京駅の設計で有名な辰野金吾氏がいました。そして彼に師事したのが逓信技師 三橋四郎でありました。
ルネサンス様式の特徴である左右対称のコの字型で、少し前方に張り出した正面玄関の左右に柱頭飾りのついた角付柱が配されています。入り口はアーチ型で上部にはアーチのペディメント(出入り口や窓の上部に取り付けられた三角形の部分)が設けられました。
1階はアーチ窓、2階はペディメントを持つ窓が整然と並び、穏やかな中にも整った様式美を形作っています。施工は福岡の岩崎組が担当しました。
平成30年に構造補強と復元工事がなされ,往時の端整なファサードが回復されました。
局周辺の唐戸地区にはレトロな建築物が点在しており、郵便局としてのみならず観光スポットとしても多くの家族連れや若者などが訪れています。
局内はステンドグラスに彩れた窓をはじめとしたレトロな雰囲気が、観光客だけでなく地元市民からも愛されています。
下関の特産物を扱ったお土産コーナーもあります。